2025.08.12

「園芸セラピー」植物のチカラを借りて暮らし豊かに

様々な高齢者向け施設を運営するシマダリビングパートナーズ(以下SLP)。今回はご利用者様に心身ともに健やかに過ごして頂けるよう行う取り組み「植物の力を借りて暮らしを豊かにし人を元気にする」活動『園芸セラピー』に注目です。

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Summary
  1. SLPの園芸セラピーとは
  2. 「いい時間」のための大変だけど「いい時間」
  3. 本番当日 「園芸セラピー」のパワーを実感
  4. グリーンマネージャーの想い

SLPの園芸セラピーとは

SLPでは、資格を持った社内のグリーンマネージャーの企画、監修、巡回指導のもと主に次のような活動を行っています。

 

1.庭で植物を育てて楽しむ。

草花を栽培し、眺めたり触れたりすることで、植物の生命力や季節感を感じていただく。

 

2.造花で季節を感じる

ロビーやダイニングに季節のアレンジ(造花)を飾って、お庭を散歩している気分を楽しんでいただく。

 

3.植物を使った工作を楽しむ

デイサービスなどで、植物を使った作品を制作してお部屋に飾ったり、野菜や草花の植え付けを楽しんでいただく(=園芸レクリエーション)

 

実際にはどのような活動を行っているのか。

作品の制作を行う園芸レクリエーションの準備から当日の活動まで体験してきました。

「いい時間」のための大変だけど「いい時間」

園芸レクリエーションの活動は月に1度。

例えば、10月には落ち葉を用いた巾着袋、12月にはしめ飾りなど、室内で過ごすことの多い方々にも植物によって季節が感じられるようなプログラムを行っています。

 

こちらの方が、グリーンマネージャーの山本達さん。この時は社内で6月の活動に向け準備中。エアプランツを仕分けています。

山本さんは建築施工会社のプランナーから、英国庭園の広報通訳・寄植スクールの統括、ホテルの副支配人などを経て、現在の仕事に就いていらっしゃいます。

園芸セラピーの資格に加え、介護職初任者研修も修了、薬草コーディネーターの資格も取得されているとか!

多才!

 

これらの段ボール箱一つ一つにそれぞれの施設のご利用者様の人数分の材料を詰めて事前に発送します。

今回発送する施設は18です。

 

 

山本さん一人では準備が大変なので、今回は6月に入社した私と写真のSさん広報二人でお手伝い。

準備は朝10:00からスタート!

 

大量の貝を仕分けたあとは、続いて砂を量ります。

 

ここでちょっと一工夫!

 

2000グラムの砂を量りたいのですが、あるのは1000グラム制限の量りが二つ。

どのように量るかというと…

 

 

こうです!

袋を使い、2つの量りにまたがって砂を量ります!

昔、力士が家庭用の体重計1つだとオーバーしてしまうので、2つにまたがっていたのをテレビで見たような記憶があり、参考にしました。

 

みんなでアイデアを出しつつ、声を掛け合いながら作業を進めていきます。

お昼をはさんで午後もひと踏ん張り。

 

3人で作業を分担しても、時間はあっという間に16:00…

我々は夕方までのお手伝いだったので時間内では終わらず、残りは山本さん一人でご準備。

本当に本当にお疲れさまでした…!

 

『いい時間』を作ることが会社の使命。

誰かのいい時間を作るためには、人知れず準備や努力が必要で。

でもその下準備を体験したからこそ、プログラム当日への心持ちがさらに高まり、チームとして団結力が生まれた『いい時間』となりました。

 

さぁ来週はいよいよ本番です!!

本番当日 「園芸セラピー」のパワーを実感

この日、園芸レクリエーションを行った施設は、サービス付き高齢者向け住宅「ガーデンテラス仙川」

緑豊かな中庭に大小様々なプランターが配置され、野菜や果物が元気に育っています。

 

 

 

外の景色に癒されたあと、いよいよスタートです!

 

今回はエアプランツのカラーサンドガーデンを作ります。

はじめに解説動画をみんなで視聴。

こちらのYouTubeチャンネルで各月のプラグラムを紹介しています。

YouTube「寄り添う庭づくり」

続けて山本さんが作り方を説明します。

 

先日用意した材料をみなさまの手元に配布し準備は万端。

 

 

広報の私たちも自己紹介して、運営メンバーに加わりました。

 

 

「楽しんでいただけるかな?」

 

とちょっとドキドキしながら、まずはみなさんの制作を見守っていきます。

真剣な表情でカップに色とりどりの砂を敷き詰めていくご利用者様。

配られた砂の色は自分で好きな組み合わせを選び、また、どの砂をどの位入れていくのかも自分で決めていくため、迷いながらも集中して取り組まれていました。

 

積み重なった色砂の上にエアプランツと貝を乗せると、夏らしい小さなお庭が完成です。

お手入れは1週間に一度霧吹きで水をあげるだけと簡単。

カメラを向け、

 

「素敵にできましたね!」

 

とお声がけするとニッコリ笑顔を頂きました。

 

山本さんはプログラムを作るうえで次のようなことを大切にしています。

 

・見て元気が出るようなカラフルな色を使う

・自分たちも納得するような上質な材料を使う

・お部屋に飾るなど、普段使いできるようにする

・同じような材料を使っても個性が自然と表れるような作品にする

・誰もが素敵な作品を作れるようにプログラムを細やかに組む

・自主性を大切にして見守りつつ、適切な声がけをしてサポートする

 

 

そんな工夫がされたプログラムだからこそ、みなさん丁寧に制作されていました。

こちらのご利用者様も、途中じっくり考えこむ場面があっても

 

「次はこの砂をいれるのはどうですか?これくらいの量でいいですか?」

 

と私が適宜声掛けをして一緒にすすめていくことで、最後は満足いく仕上がりになりました。

作品作りを通して自然な声掛けや会話が生まれていくことを実感し、

改めてコミュニケーションの大切さを強く感じました。

 

 

個性的な作品がたくさん出来上がり、ご利用者のみなさんは大満足!

広報のSさんは

 

「利用者の方々と関わるのが初めてだったけど、園芸レクリエーションを通して一緒に会話することが楽しかった。

だれもが個性的で素敵な作品を作れて喜ばれているのがいいですね。」

 

と話していました。

まさにここに流れていた、いい時間。

植物を通した制作で癒されることに加えて、コミュニケーションが生まれることが、いい時間を生み出していました。

グリーンマネージャーの想い

山本さんが園芸セラピーを初めて8年。

レクリエーションが終わった帰り際

 

「ご利用者様の表現したい、ものづくりをしたいという思いは、僕らが思っている以上に強い。

そして思いもしない表現方法で制作され、こちら側の予測が見事に裏切られることもあるから面白いね。」

 

ときらきらとした目で語ってくれました。

 

「今度はたたき染めのシャツが作りたいんだよね。いい品質のお手頃なものはないかなぁ。」

 

と次の園芸レクリエーションのことも考えている山本さん。

きょうも植物のチカラを借りて多くの方を癒しています。

ガーデンテラス仙川の癒し系ロボット「せんちゃん」と戯れる山本さん

 

広報の2人

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