選ばれたのは……
インターネットで『社員旅行』と検索してスペースを押すと次に出てくる単語は
『経費』『おすすめ』『行きたくない』。令和のこの時代に『社員旅行』はナンセンスなのかもしれないが、我々にとっては随一のビックイベントだ。建築や一流ホテルを視察しに海外まで出掛けることもあるし、慰労を兼ねた気軽な日帰り旅行だってある。共通しているのは、フツーとはちょっと違う、シマダらしい尖った旅先であること。これまで、グループの仲間が拠点としている石垣島のほか、メキシコやロシア、カンボジアなど世界各地を訪れてきた。
日常から離れた経験を通して得られる刺激は、自分自身を見つめ直すと共に、新たな発想やアイデアにもつながるはず、という考えだ。
『社内旅行』とか『研修』という陳腐な言葉では片づけてしまうなんて、もったいない!という誰かの声により、新たなネーミングの社内公募が始まったが今年の1月。謝礼は3万円、90近くの候補の中から選ばれたのが“まなたび”だった。
旅をしながら学ぶ、学びながら旅をする。まさにピッタリ!
ちなみにボツになった案は……
・しまたび (やっぱそう来ますよね)
・Shimada Side Quest (かっこいいじゃん!)
・世界まる見え!シマダ特捜部 (なんか聞いたことある)
・シマダ18好きっぷ (若干おやじの香りが)
デコボココンビの誕生
不動産事業を担うシマダアセットパートナーズの事業部内で行うまなたびも、突如決まったのだった。とある会議で社長から「今年は軽井沢に行こう」と前触れもなく言ったのだ。
さかのぼること2年前、私が育休復帰後の7月だった。場所は金沢の某カラオケ。
4月に入社した新卒くんが瑛人さんの『香水』を歌っていた。久々にお酒を飲んで楽しくなって浮かれていた私は、何の打合せもなくあのPVのように踊りだしてしまった。もうその後はどうにでもなれ状態だった。でも、それが結果的には盛り上がり(!?)「次回の幹事はこの2人だ!」と常務からご指名頂いた。みんな忘れていると思っていたのに……。私と新卒くんで、ひと回りの年齢差があるデコボココンビがまなたびの幹事を務めることになった。
2022年、金沢にて
幹事の特権!?
早速、打ち合わせを始めた。今回の大きな目的は、新しくグループの仲間入りになった軽井沢のレストランとオーベルジュの視察。でも、決めなければいけないことはたくさんある。
・移動手段は?
・参加人数は?
・食事はどうする?
・どこに泊まる?
仕事は山積みだったが、せっかく幹事になったのだから、どうせなら自分が狙っていたホテルに宿泊したい(これはここだけの話)。
社長との打ち合わせでうまいことプレゼンできたのか優しさかはわからないが、
社長が乗り気になってくれた。
なのに!
空き室がなかったり、団体様はお断りと言われてしまって惨敗。
どうにかこうにか決まってきたと思ったら、私の子供が熱を出してしまい打合せができない日々が続き新卒くんに負担が。彼も想定外だったに違いない。
不動産流のまなたび
さらに、私たちには大きな課題が残っていた。ホテルを決める事よりも旅程を決めることよりも重要なことがある。夜の会食での出し物だ。
中途半端なものでは笑いのセンスあふれる先輩方の前ではアウトだ。必死にネタを考えるデコボココンビだったが、知らないネタが出てくる(笑)。新卒くんとの世代ギャップ……。
煮詰まっているときにヒントを出してくれた先輩のおかげでとんとん拍子に進んでいったが、時短勤務の私は打合せ時間も限られる。「続きは明日で!」と言っても、時間がないから家に帰って子供たちのご飯を作りながらLINEで打合せ。旅行の前日にようやく完成!(ふぅ~)
反省点もいろいろあったが、結果的に出し物は大盛り上がり。みんなを楽しませることができたのではないかと自負している。
出し物なんて令和のこの時代にそぐわないのかもしれない。でも、みんなを楽しませようとするおもてなしの精神、大勢の前に立つ緊張感、私は今回のまなたびでいろいろ学ばせてもらった。もちろん、出し物以外でも(笑)
ちなみに、軽井沢で出迎えてくれた仲間は出し物をすることに驚いていて、とても楽しんでいた。と、思う(笑)
同じグループの会社でも、伝統や慣習は会社によってそれぞれだ。だからお互いに学ぶことがあるし、面白いのだ。