2025.09.30

10月1日は日本酒の日!
推し活 始めてみませんか?

10月1日は日本酒の日。10月に入ると新米の収穫が始まり、全国の蔵が日本酒造りを始めることが由来の一つ。そこで今回は日本酒が推し!というシマダグループ社員にインタビュー!日本酒の世界にどっぷりと浸かる様子をお届けしつつ、日本酒沼への第一歩の踏み出し方をお伝えします!

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Summary
  1. 日本酒の日とは
  2. どっぷり日本酒沼にハマる根本さん
  3. 日本酒沼へダイブするには?
  4. 根本さんの推しストーリー
  5. 推し活仲間と今後
  6. インタビュー後記

日本酒の日とは

10月1日は「日本酒の日」!

 

日本酒・焼酎などの「伝統的な酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことをはじめ、今海外ではSAKEブームが巻き起こっています。

注目される「日本酒」。そして、10月1日は日本酒の日なんです。

日本酒造組合中央会のHP(日本酒の日とは?)によりますと次の二つが由来だということです。

 

①十二支の10番目に当たる10月は「酉」の月。日本では「トリ」と読まれますが、もともと壺の形を表す象形文字。酒を意味しています。

 

②10月といえば新米を収穫し、酒蔵が酒づくりを始める季節

 

1978年に定められた日本酒の日。

折角なのでこの機会に、日本酒のことを知りたい!ということで、先日、合格率30%という難関「酒匠(さかしょう)」の試験に合格された、軽井沢の日本酒バー「穏坐bar」店主の根本祐二さんにお話を伺いました。

ちなみに…今回はロングインタビューとなっています!
お時間がある時にじっくりとご覧ください♪

どっぷり日本酒沼にハマる根本さん

 

根本さんの働く穏坐barは、神奈川県伊勢原の酒蔵『吉川醸造』の直営。
そこの代表的銘柄「雨降(あふり)」「菊勇」、長野信州の日本酒を中心に、
国産のウイスキー、スピリッツ、焼酎などを取り扱う「日本」酒barです。

根本さんが最近取得した、「酒匠」は唎酒師(日本酒の資格)と焼酎唎酒師の資格を両方取得したうえでしか受けられません!
さらに合格率は30%という狭き門です。

そんな日本酒のプロ中のプロである根本さんに、楽しみ方を教えてもらいます!

日本酒沼へダイブするには?

――根本さん!10月1日は日本酒の日なので、ぜひ日本酒について知りたいんですが…まずは何から始めるといいですか?

 

「まずは美味しい日本酒と出逢うことです♪就職活動と一緒でまずは自己分析からスタート!自分はどんなお酒が好きなのかな?そんなところからまず自分の心にダイブします。いきなり強い物を飲んで嫌いになるのも悲しいので、最初はアルコール度が低い日本酒からチャレンジ♪『雨降 桃色純米 かすみさけ』なんてどうでしょう?アルコールはたったの8%。果実酒、食前酒感覚で飲みやすいのでおススメ。」

 

――日本酒は、アルコール度数が高いというイメージで敬遠してしまって、なかなか飲む機会がありませんでした!

 

「日本酒は何かを混ぜると悪と思われがちなんですが、そんなことは実はないんです。

もっと自由に楽しんでいいと私は思っています。

お店ではハイボールとして出しているんですが、日本酒にちょっとだけソーダを入れることをおすすめしています。」

 

――えぇ!なんとなく日本酒ってそのまま味わった方がいいのかと思っていました。

 

「日本酒が苦手という方は麹の味や香りが苦手という方が多いんですね。でも、ソーダを加えると麹の独特な味や香りが弱まります。ただ、入れすぎると風味自体も失われてしまって、ただの炭酸水になっちゃう。ちょっとウイスキーの割り方とは違いますね。

少しだけソーダを入れることによって、香りがふわっとあがってきますよ。

きのうもちょうど、バーに日本酒が飲めなかった若いお客様が来てくださったんですが、barで提供している日本酒のソーダ割が刺さりました!

『日本酒は体に合わない気がしていたんですが、これは美味しい。飲める!』って。

それから、ハーブを入れてもいいですね。ミントやローズマリーやセージなどが合うんですよ。barでは施設内でグリーンマネージャーが育てている自家製ハーブを使用しています。

シンプルだからこそ、ちょっとしたことで味わいが大きく変化します。ほかにも氷を入れてロックスタイルにするのも定着してきましたね。

こういった飲用スタイルを軽井沢から発信し続けて、日本酒のイメージが少しでも変わればいいな。こんなに日本酒は凄いんだぜ!と知ってほしい。…でも、あまりにも熱を入れすぎると引かれてしまうので、ブレーキ!ブレーキ!と自分に言い聞かせています。笑
…えっ!もう引いてるって?まだまだ本番はこれからですよ。笑」

根本さんの推しストーリー

――ついていけるように頑張りますね!笑
ところで、そもそも根本さんはどうして日本酒に興味を持ったんですか?

 

「7年前、石川県のとある日本酒バーに行ったとき、感動的な日本酒を飲んだことがきっかけです。それまで、当時10年以上バーテンダーを続けていたので、ある程度知識があったつもりだったのですが…自分が勉強してきたのはこの程度だったのかとハンマーで殴られたような衝撃がありました。」

 

――どのようなお酒だったんですか?

 

「平盃(ひらはい)という、武将が出陣の前にクイっと飲んでパリンと割るような、そんな小さな盃で石川県のとある日本酒を燗酒(かんざけ ※過熱した酒)で提供してもらったんです。それが最初日本酒って気が付かなくて。料理を作ったときに飲むようなお出汁の感覚に近かったですね。アルコール感が全く無く、スーっと溶け込んで優しく消えていくような、絶妙な温度帯で最高の日本酒でした。そこから温度が1度でも変わったらアルコール感が出てきてしまうのでとても難しいんです。この日本酒のポテンシャルを最大限に引き出した、このマスターはすごい!こんな最高の日本酒を作った酒蔵さんはすごい!とググっと沼に引き込まれもっと日本酒について知りたいという風になりました。」

 

――昔から好奇心旺盛な性格だったんですか?

 

「いろいろとハマリ症ではあるかも。野球、サッカー、三国志、ガンダム、アニメ、ゲーム、食べ歩き…。中でもドライブ、旅行、日本が好きすぎて、日本一周もしたことがあります。お遍路も完走。お遍路は二週目もしました!子供の頃はカメラを向けられたら、ひたすらピースをしまくる、クラスに一人はいるお調子者キャラ。同窓会に行ってもそのまま背が高くなっただけだな、と言われるくらい。
あとはひたすら遠くの物を見ることにハマってた時も。電車ではひたすら遠くの看板の文字を読みながら乗車したり…。夜はより遠くの夜空を見ることが好きで、望遠鏡を使わないと見えないと言われていた星雲を、「絶対に肉眼で見てやる」と見続けていた変な子でした。こんなことばかりをしていたら自然と視力もグングンと上昇。視力検査ではいつも2.0が簡単に見えて通常計測では分からず、おそらく3.0くらいあるんじゃないか、と医者に言われたことも。お前はサバンナに住んでるんか!っていうくらいですよね。そして今はグングンと老眼が進んで視力低下中…。笑」

 

――ご出身は神奈川県ですもんね。笑
色々とハマられてきた中で、日本酒はどのくらいの沼り具合なんですか?

 

「沼り具合はMAX振り切り、計測不能!断トツ沼ってます。アテンションプリーズ!日本酒の世界は底なし沼なのでご注意ください。」

 

――推し活ではどのようなことをしているんですか?

 

「基本的な日本酒の原料は『米』。その米を作るときの『水』と『土』が重要な要素。…ということで今年は会社で『コメコメ俱楽部』と言うお米を栽培する活動で田植えという貴重な体験をさせてもらいました!シマダグループは元々1軒のお米屋さんからスタートしています。お米を大切に考えているからこそ、こういった活動をしているんですよね。bar営業が終了後、軽井沢から一路、神奈川県の伊勢原日向田中ファームさんへ。眠い目をこすりながら活動に間に合うように車を走らせながら到着。

それから、今度は自分たちが植えた稲を収穫しに稲刈り体験もさせてもらってきます♪今回は1日休みが取れなかったので戻ってそのままbar営業!こういったことに触れることで数段と日本酒を大好きに、そして農家さんの米作りの喜びも苦労も体験させてもらうことで日本酒の説明に教科書で学んだだけでない深みがでてくると思います。

 

今年の冬はオーベルジュ・ド・プリマヴェーラ全体が工事のため長期休業期間に突入してbar営業ができなくなったこともあり、自社の日本酒酒蔵の吉川醸造に2週間泊まり込みで蔵人体験をしに行きました。軽井沢に戻ってきた後、他の酒蔵の酒造りも体験したくなってしまい、信州の酒蔵で蔵人体験のおかわりっ!飯山の田中屋酒造さん、佐久の橘倉(きつくら)酒造さんにも行っちゃいました。蔵が違えばもちろん方針も設備も造りも違う。とても勉強になりました。」

 

――すごい熱量です!!何がそこまで根本さんを引き付けるんですか?

「引き付ける理由としては…やっぱりお米が好き!あの繊細な旨味、甘味、香り、味わいが好き!そのお米で造られる日本酒も、米の違い、酵母の違い、温度・湿度の違い、などなど…。よく気にしなければ気がつかないような繊細な香りや味わい。そんな微細な部分で他の日本酒と違いを生み出しているようなところかな。結局はこの住んでいる『日本』という国が好きなんだからだと思います。日本料理においてもみそやしょうゆといった調味料など、繊細で細やかな作業で作り上げられるものが美しいと思うし、その魅力に惹かれてるんだと思います。」

 

――今回の蔵人体験の中で1番印象に残ったことはなんですか?

「吉川醸造での蔵人体験が1番勉強になりました。他の酒蔵とは違い、ここでは観光ではなく完全に蔵人として接してもらっていたので、中身の濃さが段違い。とても忙しい中、本当に一通り全ての作業をさせていただいたのですが、その中でも『かいいれ』の作業が1番印象に残ったかな。」

 

――かいいれ?

 

「はい。櫂入れです。テレビなどでも見たことがある人はいるかもしれません。大きいタンクに長い木の棒のような物(櫂)を差し込んでいく工程があるんですね。まだお米の形をした物をかき混ぜていくのは、想像以上に重くて、米は潰すのではなく、基本的に酵母で溶かしていくイメージ。かなりの力を使う重労働なんですが、腕も身体も細い小柄な女性杜氏(とうじ※酒づくりの職人の最高責任者)さんも軽々とやっていたので、力ではないコツを掴むのに苦労しました。ここまで身をもって知ることが出来たので、去年までの自分とは100%生まれ変わりました!」

 

――ほかにも取り組んでいることはありますか?

「テイスティングをもっと追求していかなくてはと考えています。日々のルーティンとして、家で日本酒を飲む時は10種類くらい違う酒器を並べて、全てに同じお酒を注いでどのタイプが1番この日本酒を生かすことができるのか探ってみたり。造ってくれた杜氏さん、蔵人さんがどんな形で楽しんでもらったら嬉しいかな?…と探ってみたり。

穏坐barで取りそろえている酒器

 

それから、味を表現する時に「ミネラルのような」「粘土質のような」「金木犀のような」などと表現することがあるんですが、そもそもミネラルって?粘土質のようなって?金木犀のようなって?溢れ出る好奇心を抑えられなくて、花屋に行ったら色んな花を嗅いでみたり、実際に粘土質の土を味わってみたり…。もちろん吐き出しますよ。笑

周りから見たら通報される可能性大かも。ちなみにここまで色々と味を試しておきながら、納豆と虫だけは食べられません。ごめんなさい。

日本酒のことなら彼に聞け!と言われるような、酒の変態になることが目標です。ライト層もディープ層も、自分の引き出しを増やすことで色々な提案ができると思うので、引き続き頑張りますっ!

よく「大変だね」とか言われますね。休日は、周辺の観光施設、レストランに食べ歩きに行くなど、お客様に観光案内ができるようにというような過ごし方をしているので、仕事とプライベートの境界線が曖昧になってます。でも、仕事も遊びも充実しているので、楽しみながら仕事が出来ています。」

推し活仲間と今後

――推し活仲間もいらっしゃるんですか?

「日本酒フェス、色々な日本酒会に参加したり、居酒屋やbarなどで仲良くなったり。お互いに沼っている、その酒友さん達からまた新しい酒友さんを紹介してもらうなど、人との繋がりがどんどんジェットコースターのように広がっています。その状況に戸惑いながらも、嬉しい悲鳴をあげている毎日です。一緒に酒蔵見学に行ったり、お店をしている方とは互いに遊びに行ったりもしてます。日本酒で繋がる、広がる絆っていいもんですね♪特に仲のいい人は50人くらい、顔見知り程度だと100人は超えてます。自分は知らないけど、一方的に向こうが知っているパターンだともっとかも。笑」


吉川醸造の水野杜氏と

 

――今後の目標はなんですか?

 

「酒匠の資格は合格できましたが、日々情報をアップデートし続けないといけないので、現状に満足せず勉強し続けること!大きい目標としては今年の冬に勉強して来年の春までには「国際唎酒師」の資格を取りますっ!宣言しちゃいます。この酒に対する熱い想いを海外ゲストにも伝えたいのに、中学生レベルの英語しか話せないのが悲しくて。

他には日本で忘れられているような、五節句などと連動させたイベントを穏坐barで打ち出して、風化しかけている日本の伝統行事なども大事にしていきたいと考えています。
ついこの間も、重陽の節句で菊酒を秋の味覚と一緒に味わい、季節を感じてもらいました。悲しいことにイベント時、花屋に菊の花を買いに行っても、どこも重陽の節句に合わせて置いていない…。これじゃあかんですよね。

あとは合間に一呼吸置いてチーズも勉強したいなと考えています♪」

 

――え!チーズですか?

 

「日本酒の最近のトレンドでは「生酛(きもと)」「水酛(みずもと)」といった伝統的な作り方が注目されています。江戸がえりをテーマに掲げる酒蔵もあるくらいなんですね。合わせる上でやっぱりチーズは外せないかな。相性が抜群にいいんですよね。barでも信州産の日本酒に合わせるための面白いチーズを提供中です♪ぜひ味わいに来てください。」

 

――チーズも奥深そうですが…

 

「ちょっと怖いですよね。軽い入口だけで終わらせた方がいいかも。笑
ホント1日が48時間欲しいっ!生きている限りは挑戦っ!勉強していきたいです。とにかく時間は有限、人生は楽しんだもの勝ち!自分の『好き』を追求することが人生を楽しむことに繋がっているのかなと思います。日本酒に出会って自分の人生に花が咲きました!」

 

――ちなみに日本酒についてはもうほとんど学ぶことはないのかな、と思うんですが、今、根本さんの中ではどのくらい日本酒沼を極めたと思っていますか?

 

「ゴールが分からないんですけど、上には上がいるので…。う~ん、たぶん10%くらいなのかな。ようやく入口ゲートくぐったくらいかも。」

 

――本当ですか?!

 

「だからワクワクが止まらない。常に新しい発見、出会いがあるのが日本酒です!次はどんなことが待っているのか、楽しみでしょうがないです♪」

インタビュー後記

根本さんは本当にパワーに溢れた方!
そんな根本さんに「日本酒」について語っていただくと、これだけ根本さんがほれ込むのなら魅力あふれるものなんだろうな、と納得感が出て、自然と日本酒を飲みたくなってしまいました。

インタビューの中で「日本酒は恋人」ともおっしゃっていた根本さん。
どんどん愛が深まっていく…まさに理想的な「永遠の恋人」ですね!

みなさんも、日本酒沼に一緒に足を踏み入れてみませんか?

ちなみに…根本さんと会えちゃうイベントはこちらです♪

 

穏坐barイベント】

〇10月1日(水):日本酒の日

毎年恒例、日本酒造組合中央会による「日本酒で乾杯!」オンラインイベントを穏坐barでご覧いただきながら、ご来場の皆さまと一緒に乾杯します。
さらに、当日限定で「利き酒セット」を通常価格の半額でご提供。さまざまな日本酒の味わいをお得にご賞味いただけるチャンスです。

 

〇10月6日(月):中秋の名月

吉川醸造より水野杜氏がゲスト参加。日本酒づくりへの熱い想いや、ここでしか聞けないエピソードを語ります。秋の夜長に、美しい月と日本酒の奥深さをお楽しみください。

 

皆さまのご参加を心よりお待ちしております!

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