2021.09.27

お米屋からスタートしたシマダグループが
満を持して日本酒づくりを始めた

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満を持して日本酒づくりを始めた
Summary
  1. シマダグループの原点は米。 米の酒といえば日本酒
  2. 「雨降山(あふりやま)」と呼ばれる 丹沢大山の硬水
  3. 吉川醸造の「ヒト」

シマダグループの原点は米。
米の酒といえば日本酒

2020年10月、シマダグループが新しく始めた事業は日本酒づくり。

吉川醸造(読み方:きっかわじょうぞう)株式会社

 

 

なぜシマダグループが酒蔵を始めたのか。

その思いを社長の合頭(GOTO)さんに伺いました。

 

 

このGOTOさん、一級建築士でこれまで担当した建物は誰でも知っている大型ビルやホテルたち。

 

不動産開発の事業を担う、シマダアセットパートナーズ株式会社から異例人事異動で「社長」への抜擢。なぜ日本酒なのか。なぜ吉川醸造なのか。インタビューしてみた。

 

 

小林愛(以下:小林):吉川醸造(きっかわじょうぞう)について教えてください。

 

合頭さん:(以下、GOTO):神奈川県伊勢原市神戸(「ごうど」と読みます。神様への入口を示すそう)にある酒蔵です。神奈川県内13蔵のうちの1つで、伊勢原市では唯一の酒蔵。

大正元年(1912年)の創業で、当初は味噌や醤油も造っていたことから通常の「酒造」ではなく「醸造」と付けられています。

 

 

小林:なぜシマダが日本酒の事業を始めたんですか?

 

GOTO:米と水からできる日本酒は、神話の昔から人々の生活や文化に深く関わって来ました。

日本人の技術や伝統に支えられ、幾多の物語に彩られた、まさに日本の「米」文化の粋とも言える存在です。

 

「島田精米店」米屋としてスタートしたシマダグループ。

現在の飲食事業においても「米麺」の店舗を展開し、その米にかける愛情やこだわりは今も続いています。

 

米を使った食べ物。フォーはある。では、米を使った酒は?

チームシマダが日本酒に取り組まずして、いったい他の誰が取り組むというのでしょうか。

 

いや(略)

 

 

「雨降山(あふりやま)」と呼ばれる
丹沢大山の硬水

 

小林:吉川醸造の酒の味の特徴を教えてください。

 

GOTO:吉川醸造の背後には丹沢大山国定公園に位置する標高1252mの大山があります。

 

大山は別名「雨降山(あふりやま)」と呼ばれるほど雨が多く、昔は雨乞いの信仰地となったほどです。

この霊峰大山に降る雨が長い年月を掛けて地下伏流水となり、吉川醸造ではこの水を100%仕込み水として使用しています。

 

この水は日本では稀な「硬水」。硬水にはミネラルが多く含まれて、硬水で仕込む日本酒は旨味とキレがあり、濃厚で辛口系のお酒になりやすいと言われます。

 

硬水利用で名高いのが灘の酒ですが、この水の硬度が大体100前後。

先日測定した吉川醸造の水の硬度が約130でしたから、それよりも硬度が高いことになります。

 

 

大山には酒の神様で知られる大山阿夫利神社があります。「阿夫利」は「雨降り」から来ています。大山は近年、観光地(雨降りを活かしたレインツーリズムもあり)として脚光を浴びつつあります。

 

江戸時代には人口100万人の江戸から毎年20万人もの人々が「大山詣り」をしていたくらい、超メジャーな「観光地」だったようですよ。

 

 

吉川醸造の「ヒト」

 

小林:吉川醸造はどのような「ヒト」がいるのですか。

 

GOTOまずは、合頭。不動産開発の部署、シマダアセットパートナーズ株式会社で建築士をしていました。

 

二宮。シマダリビングパートナーズ株式会社の介護事業で役員をしていました。自身も介護士です。

 

田中。ホテル事業部で飲食部門におりました。吉川醸造への配属が決まり、あっという間に唎酒師(ききざけし)の資格を取ったのは凄いことです。

 

他にも、元から吉川醸造で働いていた社員も皆一緒に働いております。

 

 

 

小林:建築士の仕事と酒は全く違うように感じますが、共通点はあるんですか?

 

 

GOTO:合頭に関して言うと、お話をいただいた時は少し蔵クラしましたが(すみません)、座右の銘が「安請け合いしよう」なので(嘘です)、やりますとお答えしました。

 

シマダに入社して2年間、シマダアセットパートナーズではスピード感を持って物質に物語と価値を与えていくことを学びました。

 

旅行事業の東京トラベルパートナーズの仕事も少しだけ手伝わせてもらっていたのですが、「日本酒」と「旅行」との間に「神話」を挟むと、とても親和性が高くなることに昨日気付きました。

 

個人的には建築設計と酒造りの間に共通点はかなり多く興味深い、

相違点はさらに振れ幅が大きくて興味深い(造酒機械のカタログを見ても外国語を読んでいるようで笑ってしまう)という感じですね。

 

 

蔵を支える「杜氏」の存在

 

 

小林:蔵の様子はどうですか?

 

GOTO:10月1日は仕込みが始まる時期ということで「日本酒の日」とされているのです。すぐに今年の仕込みが始まりました。

 

本来であればそんなにすぐに仕込みが始められなかったはずですが、我々にとって「幸い」だったのは、杜氏(とうじ:酒造りの責任者)である水野氏の存在と、

意外なことに「コロナ」でした。

 

 

小林:コロナの影響と水野杜氏の存在とは?

 

 

GOTO:通常、酒蔵では秋からの酒造のために米を年初から春にかけて購入しますが、造酒する当てのない吉川醸造では米を購入していませんでした。

 

普通の年であれば米はその時点で市場からなくなっていたはずですが、コロナ禍で9月末の時点でも米がかなり売れ残っていたのです。

 

米はありました。しかし酒蔵というのは春から秋にかけて酒蔵スケジュールをじっくり作り上げてから、米の発注をするものだと聞いていたので、正直今年は難しいのではと危惧していました。

 

しかし!水野杜氏は米も買っていない、先の見えない蔵の中で淡々と今年の酒造計画をひとりで練っていたのです。

 

 

曰く「杜氏というのはそういうものです」

 

 

キャーーー♥カッコよすぎですね✨

 

 

 

 

小林:杜氏LOVEですね(笑)きっかけはコロナだったのですね!

 

GOTO:取り乱しました。。。元蔵元の吉川さんがよく言う

「日本酒はコロナにとどめを刺された」は日々実感します。

 

 

ただ、吉川醸造の従業員は「うちのお酒は美味しいです!」と口を揃えて言いますが、これは何よりのことと思います。

 

 

 

小林:他事業部と連携や取り組みができそうでしょうか?

 

GOTO:はい!今までの良き歴史に、シマダグループの「力」が加わったら。

いろいろと想像が膨らみます。ホテル、旅行、飲食、商品開発。

 

皆様との立ち話や何気ない会話が新しい発想や知見を生みますので、これまで同様、宜しくお願いいたします。

 

 

~以上~

合頭さんの、まじめな話から、急に挟まれる高度なギャグに笑いが止まりませんでした。

随所に知的な初めて事業を聞いたときは、なぜ蔵?なぜ日本酒?と思ったのですが、

 

 

シマダグループは、

島田精米店のシマダライスの「米」から始まり、

米麺、「フォー」(COMPHO)、ときたら

米の飲み物、「日本酒!」

日本の「米」文化がすべてつながりました!

 

 

シマダグループから、日本の文化を発信していけちゃうなんてワクワクが止まりません!

 

 

~神戸(ごうど)の醸造に合頭らがGo To~

 

 

インタビューの最後に合頭さんがつぶやいた言葉。

 

歴史ある吉川醸造。シマダグループの力が加わり、これからどうなっていくか楽しみです。

 

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