2022.02.08

遊ぶこと、生きることに貪欲な人たちが
こぞって集う「部活動」の生まれ方。

たとえば。飲み会で近くになった同じ会社の仲間と、話すうちに同じ趣味を持つことが分かり、じゃあ一緒に!となって、どんどん広がって、いっそノリで「◯◯部ってことにしちゃう?」と、勝手に名付けて活動する……ところまではよくあることかもしれません。ただシマダグループの場合。会社がむしろそれらを推奨し、申請すれば部活動として認定され、活動の補助金まで出る。そこがなんとも“らしい”ところだなと思うのでした。

シマ報 > 遊ぶこと、生きることに貪欲な人たちが
こぞって集う「部活動」の生まれ方。
Summary
  1. ダイビング部という、宇宙体験。
  2. ひょんなきっかけから部が生まれ、 文化が生まれる。
  3. 趣味と実益、そして仕事も兼ねた部活。

ダイビング部という、宇宙体験。

「ダイビング部の副部長をしてます」と言うのは、クリエイティブディレクターの太田幸代さん。石垣島にある自社の宿泊施設にはダイバーの宿泊客も多く、地元のダイビングショップとの関係性も深いことから、部が発足。2020年で10年を迎え、活発に活動しています。

 

「私は新入社員の時に、同じ会社の人から『ダイビングやってるんじゃない?』って聞かれたのがきっかけ。なんとなく雰囲気で海が好きそうだと思われたみたいで(笑)。で、2泊の石垣島に誘われて、ライセンスをとってみると、意外に簡単にとれたんです」

 

と言う太田さんのように、ノリと好奇心で海にダイブしたところ、やがてどっぷり世界にハマって(潜って)いく人が社内に続出。「次は誰々さんも行ってみない?」と誘い合ううち、部活動化。今や部員は現在51名、また社員の4割(!)がライセンスを持っているという、まさかの広がりっぷりを見せています。「社長の『海の中は宇宙と一緒だ』という言葉が印象に残っていて。潜ると、無になっていく感覚があるんです。これも石垣島にシマダグループのホテルがなかったら体験もできなかったかもしれないですね」

ひょんなきっかけから部が生まれ、
文化が生まれる。

同じく存在感があるのはマラソン部。誕生のきっかけは、島田社長のひとことから。50歳の誕生日を迎えた際に、突如「フルマラソンを走る!」と宣言。さらに「ホノルルマラソンを一緒に走る人は費用を負担します」という甘い誘いに、まったく未経験者の10人が果敢にも挑戦。そのうちのひとりが、ビジョナリーデザイン室の浅野沙織さん。

 

「講師についてレクチャーを受けて練習をし、みんな無事に完走できたことで、自然発生的に部活になった感じですね。それから西表島、石垣島、東京の大会は有志で集まって参加しています」そうして部員たちのスキルは次第にアップ、中には100kmマラソンに挑戦するツワモノまで出てきています。「ただ、みんなで走れて参加しやすいのがマラソン部のいいところ。海外研修旅行でも、前の晩どんなに飲んで遅くなろうと、朝は必ずみんなで旅ランをしています」

 

 

また発足が1988年と、最も歴史がある部活はゴルフ部。会社主催のゴルフコンペを年に3〜4回開いたり、シマダゴルフアカデミーというレッスンを開催したり、頻繁な活動をしています。たいていは先輩社員に連れて行ってもらうことから始まり、引き継がれていくようにして部員が増加。まさにシマダグループの文化そのものと言えるでしょう。

 

 

 

ひょんなことから部活動につながったのは自転車部。「自分の好きな動画を撮ってください」という新年会の企画で応募してきたのが「霞ヶ浦を自転車で一周してきました!」という社員ふたり。臨場感のある凝った動画が評判となり、その場で「自転車部の誕生だな」となりました。

 

趣味と実益、そして仕事も兼ねた部活。

と、ここまで聞いて「文化系はないの?」と思った方もいるでしょう。決して派手さはないものの、コツコツと続いている部活はあり、その代表格は読書部。さらに一風変わったものが「オーナーになっちゃおう会」。不動産をみんなで購入し、資産運用するという部活です。前出の浅野さんは、ここにも在籍していました。「私たちの事業のひとつは、不動産オーナーさんに向けて資産を運用すること。だからこそ私たち自分たちでそれを体験したほうがいいと、札幌の物件を共同所有しています」みんなで物件を見がてら遊びに行ったり、確定申告の勉強をしたり。まさしく趣味と実益、そして仕事を兼ねた部活と言えるでしょう。

 

これらのさまざま部活動の情報は、社内のオンライン掲示板で流されます。そうすることで、部署間を超えたコミュニケーションの機会にもなっているのです。

 

「この会社に入るとまず、趣味や特技などの情報が走るので、そこから部活の勧誘が始まることもあります」

 

と言う浅野さん。

 

ただもちろん強制ではなく、どこにも所属していない社員もたくさんいます。

 

ここには「やらされている」人はいません。やりたい人が、やりたくてやっている。寝る間も惜しんで、楽しいことに貪欲に。いわば

 

「忙しくて、仕事する暇がない」

 

人たちなのでした。ふふふ。

Related Articles