ガーデンテラス赤羽
コロナ禍で外出や面会を制限せざるを得ない状況となった介護施設「ガーデンテラス」。
入居者さまの「安心安全」をとるか、「自由」をとるか、介護士たちはこの狭間で悩みました。そこで、生まれたアイデアの一つが、アート&ブックラウンジ。外の図書館や美術館に行けなくとも、施設内でその雰囲気を楽しめる空間です。
利用者の皆さまの憩いの場になっているようです。
写真から、実際に利用してくださっている様子が伝わって、嬉しいですね。
昭和のスター石原裕次郎の写真集などラインナップは懐かしい物から、小説、写真集など。
ガーデンテラス赤羽のニュースでも掲載されました
https://garden-terrace.jp/akabane/news/3944/
ガーデンテラス砧公園
庭屋一如(ていおくいちにょ/庭と建物は一つの如し)をテーマとし、すぐ近くの砧公園全体が建物の庭として空間設計された、ガーデンテラス砧公園。その雰囲気に即した、アートや自然関係の本がラインナップの中心になっています。
オードリーヘップバーンや、写真集など目で見て楽しめる本が多数あります。
緑に囲まれた空間はまるでホテルラウンジのよう、と入居者さまからも好評。ゆったりと読書を楽しめそうです。
ガーデンテラス砧公園を舞う、
蝶々のアートとは
ラウンジを入ってすぐ目に飛び込んでくる壁一面のアート。
実は第3回アート&デザイン新世代賞(シマダグループ協賛)にて最優秀賞を受賞した水口麟太郎さんの作品です。
新世代賞とは、若い世代の表現者を応援するコンテスト。2017年度より辻仁成さんが主催で開催されています。
キラキラと輝く蝶が吹き抜けを羽ばたいている姿が、美しく印象的ですね。
タイトルはRINKAKU 光の踊り己(ひかりのおどりこ)
設営の様子。高いところに上りながら、ひとつひとつ設置する繊細な仕事
グルーガンで一つ一つ、蝶々をつくっているそう。
アート&デザイン新世代賞の受賞者と一緒に取り組みをしたのはシマダグループとしては初。水口麟太郎さんが日本を代表するアーティストとして世界に羽ばたく姿を応援しております。
麟太郎さんの作品についてはシマダリビングパートナーズ(SAP)ブログでも紹介されています
若きアーティストへのインタビュー
ガーデンテラス砧公園のアート&ブックラウンジ全体をプロデュースしたビジョナリーデザイン室の太田さんによる水口麟太郎さんへのインタビューをご覧ください。
水口 麟太郎さん Rintaro Mizuguchi
(Design Artist RINTARO ウェブサイトより)
太田:今回はじめての大型作品ということで、完成してのご感想を教えてください
水口さん:作品設置が終わった後、設置した実物を見ながら物思いに耽るのが好きです。
今回の作品完成後も、何もせずただひたすら作品の前に突っ立って眺めていたのですが、その工程が僕にとってはとても大切なことなのです。
アート作品というのは新作から旧作まで、全てがその地点での作者を反映したものです、
つまり完成した作品と対峙することで、僕は過去の僕自身と対峙することになります。
作品を眺めている僕は制作を既に終えていて、過去の僕からすれば先輩にあたります。
過去の自分にはダメ出しもしますし、説教もするのですが、最後には「ああ、いいものを作ったね」と大きな賞賛を送りました。
(配置もミリ単位)
大きな展示会でも同じですが現場での作品設置作業が好きです。
僕は、例えば学園祭の時などは来客側より出店側が好きで、お祭り当日より前日の準備の方が好きな人間なので、現場での設置作業はスタッフさんとの掛け合いなども含めてとても楽しみでした。
オープン前の会場の空気に触れながら作業に没頭している時、アーティストをやっていて良かったなと感じます。
今回の作品は、物理的な大きさだけではなく、関わっている人や必要な技術力の高さを含めた意味でも、僕にとっては今まで経験したことのない大型規模の作品となりました。
太田さんにはあらゆる場面でサポートしていただいて、僕の我儘にも最後まで付き合ってくれてありがとうございます。正直大変だったと思います(笑)。
指示はアーティストとしてもとても勉強になるものでした。
妥協の無いご意見は、フランスで仕事をしていた時のことを思い出させてくれてとても心躍りました。
施設長を筆頭に現場のスタッフの皆様、施工会社様にも要所要所で力を貸していただきました。
制作を経て得ることができたものを含め、いいものが出来たと思います。多くの人が関わるガーデンテラス砧公園に2021年冬の自分の最高傑作を設置でき、大変光栄です。
入居者の方が作品を見ながら【良いトキ】を過ごすことができるよう願っています。
太田:制作過程にて大変だったことや印象的だったことを教えてください
水口さん:僕の部屋は、部屋が狭い上に他の制作中の作品もあったりして、制作のためのスペースを確保することが大変でした。
今回はユニットの数がとにかく多かったため、漆にほこりを付着させずに硬化させるための乾燥棚を本棚を改造して作ったり、
現地でのレイアウトを決めるために天井から床まで糸を張って1/1スケールのモデルを作ったりしました。(高さが足りないので2つ作りました。)
純金箔を扱うのは初めてだったので取り扱いに苦労しました。くしゃみするだけで吹っ飛んでいくので、ユニットへの転写方法を考えるのが面白かったです。
太田:現在 進めている作品や活動状況など教えてください
水口さん:アーティストとして活動を始めてからグルーガンアートを作り続けています。近年ではグルーガンで作ったテクスチャを漆と金属箔でコーティングしたシリーズを発表しています。
(グルーガン)
次のフランス渡航に向けてより良い作品づくりを心がけています。
また、近年作品が大型化してきたこともあり、新しいアトリエを探しています。
もし心当たりのある方がいらっしゃいましたらご連絡いただければ幸いです。
太田:最後に—-
水口さん:僕はあまり「アットホームな職場」という表現が好きではありませんが、シマダ本社やガーデンテラス内の空気はとても柔らかく、ひとりひとりに余裕があって、僕も作業しやすかったです。
ガーデンテラス砧公園はとても素晴らしい施設でした。早く祖母に見せてあげたいです。
※祖母とは、新世代賞で受賞した作品名の主題となった、とよこさん
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まだまだコロナ禍の世の中。特にSLPでは気軽にお散歩も行けないなど毎日対策を徹底している日々。
さながら美術館のような館内で、ほっと一息感じられるようなスペースは、入居者の方たちの憩いの場になるのではないでしょうか。