物件ができるとき
シマダグループでは、物件の仕入れ、企画設計、建築、入居者の募集、その後の販売と不動産にまつわる一連の流れをグループ内で行っています。
今回完成が近づいているこのSENDAGAYA TERRACEも、例にもれず土地の取得から関わっています。
用地取得をしたとき、建築中の様子などを遡ってシマダアセットパートナーズのブログから見ることができます。
新規用地取得のブログが2022年の5月付けなので、少なくとも3年がかりのプロジェクトになるのですね。
【新規物件取得】渋谷区千駄ケ谷 (2022.5.26)
【着工】オフィスビル (仮称)グランアセット千駄ヶ谷 (2024.3.25)
完成日に施工会社様と社内の関係者で、工事の修正箇所をチェック、想定家賃の確認、賃貸の募集図面にある設備が正しいかを確認。そして全体で感想をフィードバックしあう機会を設けています。
その集まりを『社内検査』と呼んでいます。関係者の間のプチお披露目会といったところです。
前述のように3年ほどかかって建物ができる姿を見るのは、用地取得の担当者・設計担当それぞれにこみ上げる感慨深さがあることでしょう。
パース(完成した時のイメージ図)を見てテンションが上がっているシマ報編集部ですが、実際はどんな現場になっているのでしょうか!?
シマダアセットパートナーズのブログから引用した完成イメージ(パース)
どうやる?社内検査
SENDAGAYA TERRACEは、6つのテナントオフィスと2戸の長屋住戸の建物。
密集する住宅地の中で目の前の道幅が狭く、敷地に大きな高低差のある環境のなか、つくられました。
(シマダアセットパートナーズではそういった都心の変形敷地「スキマ」にオンリーワンな建物をつくるのが得意でその事業モデルでグッドデザイン賞を取得しています。詳しくはこちら)
株式会社シーラカンスアンドアソシエイツという設計事務所さんにデザイナーとしてご協力いただいたプロジェクトです。
まず社内検査の目的は、出来上がった物件のチェックなので、各班に分かれてすべてのお部屋を確認していきます。
配布されるのは、キャッチコピーや家賃などが空欄の募集図面。
※こちらに載っている情報は社内検査時点での仮情報。正式な情報とは異なる場合があります。
最後に一か所に集まって気づきを共有します。挙げられた項目の一部は以下のようなもの。
「玄関横のスイッチが全部オフにしたときに向きが違うのが気になった」
「ドアが干渉しているところがある」
「木の建具にざらつきが残っているので、これで完成か確認してほしい」
「洗面のところにタオル掛けがなかった」
「網戸やサッシがなかった」
「サッシを全開放した時に手すりがあった方がよいのでは!?」
「戸当たりがついていないのであった方がよい」
などなど、実際に過ごすことを考えて細かいところまで確認をしていきます。
気になったところには、付箋やマスキングテープをつけてわかるようにします。
一通り実務的な共有が終わると、参加者が感想を伝えていきます。
「素材感が素敵。照明計画もラインの位置がパワーがあって器具数が少なくても室内が明るく見える」
「仕上げ材にいろいろなものを使うと聞いていてどんな仕上がりになるのか心配だったけれど楽しかった。統一感もあってガチャガチャすることなく。間接照明の見切りもなくラインが綺麗。」
SENDAGAYA TERRACEならではの話
「ちょろっと、ちゃんと話すと・・・」
と、建物に対する感想が述べられていく中で、ひとりだけ違うトーンで話し始めるKさん。
「僕は大学4年生の時にシーラカンスさんのオープンデスクで大変お世話になりました。その時、こういう事務所と仕事ができる不動産開発の人間になりたいなと強く思って、今回はその夢が叶いました。仕入れをする計画の段階から『設計事務所のシーラカンスさんと施工会社であるTH-1さんとチームを組んで仕事がしたい』と社長に伝えていました。それを承認してもらい、このように出来上がる瞬間に立ち会うことができて嬉しいです。」
この物件を数年前に仕入れた担当者でした。彼は不動産の売買に関わる営業担当ながら、大学時代は本格的に設計の勉強をされ、設計事務所での勤務経験もある人物。営業と設計の両方の視点を持っています。
今回のプロジェクトは、彼が社長に直談判をして設計事務所や施工会社を引き合わせました。
自身の業務の範囲を超えて主体性を発揮するのは本当に彼らしい仕事の仕方です。
その後も、その波を受けてなのか!?ちょっと感動的なコメントが続きます。
設計部門の常務より:
「躯体がそのまま仕上げになるという今回の物件は、何手先も考えないと設計ができないようなレベルの高い仕事をしているなと感じました。行き当たりばったりではなく、最終形態を綿密にイメージして設計者と施工者が同じ方向に向かって作っていくことの大切さに気が付きました。自分たちも明確なゴールから目指して仕事をしたいとわからせてくれる現場でした。」
シーラカンスさんより:
「敷地の搬入のしづらい中での工事ありがとうございました。
インテリアとしての仕上げというよりは、躯体を施工したらそのままそれが仕上げという、気を使わなければならない条件の中で施工をしてくださりありがとうございます。
オープンハウスを経てプレスリリース、募集というところから建築がはじまると思いますので、実際に過ごしていただける方から評価をいただける建築になっていけばよいなと思っております。」
※この社内検査のあとの週末、4月6日にはシーラカンスさんの内覧会(オープンハウス)が開催されたとのこと!
こうしてSENDAGAYA TERRACEの社内検査は終了。
その物件それぞれのストーリー。それは、その土地の歴史や環境、特徴に合わせて建物をつくっているからこそ生まれるもの。
こういう場で「生の声」に耳をすませるのも良いな、と感じて次回の社内検査日程を手帳に書き込んでみるシマ報編集部でした。
TBS王様のブランチにご注目!
ちょろっと、最後に宣伝をすると・・・(Kさん風)
SENDAGAYA TERRACEは5月17日(土)放送予定の王様のブランチ「物件リサーチ」のコーナーに登場する予定です。
物件の中でもそのお部屋専用の●●がついている特別なお部屋です。