町内会でも噂の祭り!?
10月のとある日曜日。
暑い夏は避け、秋の長雨が終わる過ごしやすい頃を見計らい実施されたのは、高齢者のためのサービスレジデンス、グランジュール尾山台初めての秋祭り。
その日は、心地よい気候に恵まれ、想定以上に大勢の方がご来場。
グランジュール尾山台に常駐する健やかナビゲーターの山下さんが、8月から計画していたというこのお祭り。
開催するにあたり、ご近所の皆さまにひとりひとりご挨拶。
その挨拶がきっかけで、町内会でもこの高齢者向けサービスレジデンス、グランジュール尾山台の秋祭りが一躍話題になり、歩いてすぐの東京都市大学の学生さんもボランティアで参加してくれる運びになったそう。
当初は人手が足りないのでは?と思っていたのに、そんなことは杞憂に終わり、町内会からも続々とお手伝いの手が。どんどん人の輪が広がって、無事に当日を迎えることが出来ました。
そうだ!ポニーを連れてこよう!
山下さんの思い付きはスゴイ。
この秋祭りをきっかけにして、地域の方にグランジュール尾山台を知っていただきたい!縁日風に演出しよう!と、サービスレジデンスが一日限りのお祭り仕様に。
「う~ん、他にも何かできないだろうか?」と考えを巡らせ、
馬好きの山下さんは、普段ご自身が通っている乗馬クラブからポニーを連れてくることを思いついてしまったのです。
このコロナ禍で、ポニーたちの出番はめっきりなくなっていると聞きます。
ペットとは違うポニーたちは、自分たちの餌代は自分たちで稼ぐのだそうです。
世田谷の高級住宅街を歩くポニー。
想像しただけでもワクワク。
ちょと面白い光景でしょう?と山下さん。
ポニーを連れてくるって一言で言っても、その前にやらねばいけないことが盛りだくさん。
第一のハードルは、ポニーがここまで車で来られるかどうか?
山下さんは自らキャラバンカーを借りて、荷台にすべらないようにクッション材を敷きました。案の定車へ乗るのを嫌がったため、おやつで釣るなどして事前に何度か乗り降りを練習。さて、いざ本番。乗らなかったらお祭り自体に大きな影響があるため、前夜は眠れないほど不安だったそう。
しかし当のポニーは少し躊躇したものの周囲の協力もあり、平然と乗り込んだのです。ポニーを乗せたキャラバンカーは高速道路でも速度80キロを守り、カーブは超ゆっくり、でなければ転んでしまいますから。3時間かけて、無事に到着したのでした。
第二のハードルはポニーが歩く公道を封鎖しなければならないこと。こちらは、事前に警察署で手続き。抜かりのない準備のおかげで当日は、老若男女問わず、皆さん楽しんでいる様子でした。祭りの間、5時間もずっと排泄を我慢してがんばってくれたおばあちゃんポニーに、山下さんは拍手を送りました。
屋上が祭りの舞台に
よりお祭りらしくしたい!と、山下さんの思いはかなりアツイ。
「焼きそば」「BBQ」「和太鼓演奏」「フラダンス」などありとあらゆる企画を実現。
当日、通りかかった方々は、ポニーに目を引かれ「何してるんですか~?」と、自然に施設内に引き寄せられていました。
お祭りの説明をすると、おもむろに携帯電話でお知り合いの方を誘ってくださる方も。
わんちゃんのお散歩をされていた方は、珍し気に「誰でも来ていいんですか?なんの建物なんですか?」といった具合に、立ち寄っていただき、徐々に来場者が増えていきます。
はじめは人がまばらだった屋上も、いつの間にかびっしりになって、
そこへ和太鼓も到着して、ダイナミックな演奏が繰り広げられました。
「パプリカ」を奏でた後は、盆太鼓に合わせて盆踊り開始。
「踊れる人はみんな参加して~」の掛け声に、入居者さんに交じって山下さんも踊りだし、会場に広がる一体感。
普段は静かな夕暮れを迎えるグランジュール尾山台が、この日ばかりはいつまでも笑い声が響きわたります。
通行止めのため、警備に来てくださった地域の巡査は、お祭りが終わっても余韻を楽しむ方々のため真っ暗になるまで見守ってくださっていました。
さらには、ポニーのサイドウォーカーまで引き受けてくださり。
↑ポニーに乗るこの台もボランティアさんの手作りです
最後に山下さん
「たくさんのボランティアさんに支えらえて開催できた秋祭り。たくさんの方に感謝したこの日。
そしてグランジュール尾山台がそんな楽しみの場所となったことが嬉しく幸せに感じました。」と、微笑んでいました。
来年もその先も、みなさんで愉しめる秋祭りを開催できるとよいですね。