2024.03.18

誰がために店はある
~COMPHO丸の内店 グランドフィナーレ~

冒頭からアメリカの小説家アーネスト・ヘミングウェイの「誰がために鐘はなる」のパクリ、、、ではなくオマージュからはじまりました。スペインの内戦を舞台としロバート・ジョーダンとマリアの恋を描いた小説。題名は17世紀イギリスの詩人ジョン・ダンの「ゆえに人を遣わして問うなかれ、誰がために鐘は鳴るやと、そは汝のために鳴るなれば」の一節を引用。ただ、この話は日本の東京丸の内が舞台。20年続いた飲食店での小さな物語だ。

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~COMPHO丸の内店 グランドフィナーレ~
Summary
  1. -COMPHO コムフォーとは-
  2. -閉店までの時間と初代店長-
  3. -常に前を向き進んでいく-

-COMPHO コムフォーとは-

COMPHO コムフォーはシマダグループが運営している米麺専門店だ。

(詳しくはこちらをご覧ください。)

ストーリー|【公式】フォー専門店COMPHO コムフォー

 

6店舗運営していたが、その中で最古の丸の内オアゾ店が2024年1月31日に約20年間の歴史に幕を閉じた。一般的に飲食店の閉店率は1年目で約3割、2年目で約5割、3年目では7割にも達すると言われている。そんな競争の激しい飲食業界の中でも20年営業を続けてこれた事は携わってきた方々の苦労と努力の賜物であり、インスタグラムでもメンションしてくれるお客様が多く、本当に愛され続けた店舗だった。

 

2004年の9月14日に開業以来、2度のリニューアルを経て20年間の営業。

小泉純一郎首相、「冬のソナタ」でヨン様ブームが起こり北島康介の「チョー気持ちいい」が流行語大賞。1万円札が福沢諭吉になったのも20年前だ。

 

そんな長きにわたって営業し続けた店がなぜ閉店になるのか。

コロナ禍や売上・賃料の話など様々な理由があり全てをここに記すことはできない。事業部長に話を聞くと様々な感情や言いたい事はあるようだが、ただ「申しわけない」との言葉を残すのみだった。

 

店の閉店が決まった時に事業部長は従業員一人ずつに時間をかけて話をした。

「2023年末、丸の内オアゾの飲食店の中では売上進捗率は1位だったのになぜ。。」

そんな声も聞こえた。

それでも、残りの時間をできるだけ大事に。

店長や従業員はいつもと変わらず明るく過ごしていた。

-閉店までの時間と初代店長-

閉店が迫った数日前 シマダグループの従業員グループウェア(ネット上の社内掲示板みたいなもの)はにぎわった。

 

・オアゾ店に携わった社員、スタッフの方々、本当にお疲れ様でした!永くお客様に愛され、歴史ある丸の内店の閉店はとても衝撃的で寂しい想いでいっぱいです。。

 

・これからもコムフォーは前進あるのみ!まだまだ入社歴も短く出来ることの少ない私ですが、今出来ることを全力で、先輩方と共にコムフォーを盛り上げていきたいです。

 

・とうとう閉店まで残りあと3日なのですね。歴史ある丸の内店、とても寂しいです泣泣)先週 すき焼きフォーいただいてきました!オリジナルで制作したベトナム傘照明アートもまだ健在しています!肉眼でまだ見ていない方!ぜひ閉店までに〜!!

 

最終日には20年前の初代店長(!)がお店に手伝いに来た。

 

彼は今、シマダグループの吉川醸造で働いている

 

「いらっしゃいませ! 本日最終日です!」「コムフォー美味しいですよ!!」

 

初代店長は60歳を超えているとは思えない元気で大きな声で呼び込みを行う。

そんな彼に一人の初老の男性が近寄ってきた。男性は足元がおぼつかない感じだったが「さみしい、ほんとに閉店しちゃうの?? 昔この近くで働いてたときによく来てたのに」そう話しかけてきた。初代店長はその男性の両手を握りながら深々と頭を下げた後

 

「ありがとうございます!大手町も日本橋はまだまだ続くので是非そちらにも遊びにきてください!」と、大きな声で挨拶をした。

 

 

その後も続々とシマダグループの従業員がかけつけた。人事や経理、IT、広報などのバックオフィス部門。同じサービス部門の仲間でもあるホテルチーム。色々な人達が声がけに反応して最後は仲間の頑張りを労う。こういうところはシマダグループの良いところだ。

 

 

最終日の21時、惜しまれながらお店の灯りは静かに消えていった。

-常に前を向き進んでいく-

最終日閉店後に事業部長はグループウェアにこう書き込んだ。

 

『王とはな、誰よりも強欲に、誰よりも豪笑し、誰よりも激怒する、清濁含めてヒトの臨界を極めたるもの。 そうあるからこそ臣下は王を羨望し、王に魅せられる。 一人一人の民草の心に、“我もまた王たらん”と憧憬の火が灯る。私の米人灯は消えておりません。』

 

ちょっと何言っているかよくわからないが、

要約すると「常に前を向いて進もうぜ!」という事らしい。

 

COMPHOはまだまだ前を向いて進んでいく。

近隣の「米麺食堂大手町ビル店」「日本橋高島屋S.C.店」にも是非足を運んでほしい。

 

誰がために店はある。そう、店は常にお客様のためにある。

 

COMPHOでは今日も元気で明るいメンバーたちが美味しいフォーを用意して

お待ちしています。

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