大崎店にて実食!そのお味は?
こちらが、新発売の「コムフォー特製 ヴィーガンフォー」!
水菜の緑とコーンの黄色、紫タマネギが見た目にも色鮮やかで食欲をそそられます。
スープは昆布茶と干し椎茸。トッピングされているのは揚げたお麩!
う~ん!とても美味しそうですが…
肉・魚・卵・乳製品を使わない、ということだけどそもそもヴィーガンって何?
あれ?ベジタリアンのこと?
なぜ今ヴィーガン?
数々の疑問が浮かんできたので、この6月に広報のチームに入りました新人のわたくしが、ヴィーガンフォーについて徹底的に調べる記事を書くことになりました。まずは、研修として店舗の見学も兼ね、COMPHO with TERRACE 大崎シンクパーク店に伺い、味を確かめます!
リラックスムードあふれる店内。お昼時は多くの方にご来店いただいていました。
テーブルは、インドネシアから取り寄せたもの。元々大きな一枚板でしたが、店内の仕様に合わせ切り分けました。
自然の風合いをそのまま生かしてあります。
解放感あるテラス席は、ワンちゃんもOK!
ご家族みなさんでゆっくりとお寛ぎいただけます。
店内の見学も終えたところで…さぁ、いよいよ実食です!
+300円で、ドリンクと一品が追加できる、選べるセットも一緒に♪(※あくまでメニューの勉強のため…)
大好きな生春巻きとグァバジュースをお願いしました。
まずはスープを一口…。
うん…これは美味しい!!
昆布茶と干し椎茸のスープなのであっさりしているかと思っていたのですが、海苔の風味がきいていて、うま味、コクがしっかりとあります!
もちろん国産米100%のフォーもつるつる感、やさしい甘味が美味しい!
…これがヴィーガンメニュー?
生まれて初めてヴィーガンメニューを食した身としては、イメージより遥かに豊かな味わいに驚き、よりヴィーガンという文化に興味がわきました。
そもそもヴィーガンとは?ベジタリアンとは違うの?
特定非営利活動法人日本ヴィーガン協会によりますと(参考HP「ヴィーガンとベジタリアンの違いとは?SDGsに貢献するやさしい暮らし方」)ヴィーガンとは
動物性食品を一切摂取しないライフスタイルのこと。
肉や魚はもちろん、卵、乳製品、はちみつなども避けるそう。最近では食事だけでなく、動物由来の衣類(レザーや毛皮など)や、動物実験を行った製品も使わないという考え方が浸透しています。これを「エシカル・ヴィーガン」と呼び、環境や動物福祉への意識を含む、より広い意味でのライフスタイルとされています。
そして、よく混同しがちな「ベジタリアン」についてですが、じつは語源は「ベジタブル(野菜)」からではなく、ラテン語の「vegetus(健全な、活力のある)」だそう。 ヴィーガンと異なり、一部の動物性食品は摂取するスタイルで、以下のように分類されます
・ラクト・ベジタリアン:乳製品はOK、卵・肉・魚は避ける
・ラクト・オボ・ベジタリアン:乳製品・卵はOK、肉・魚は避ける
・ペスコ・ベジタリアン:魚も含めて摂るが、肉は避ける
・ヴィーガン:動物性食品をすべて避ける(最も制限が多い)
ヴィーガンはベジタリアンの中でも特に制限が多いスタイル。
どのベジタリアンにも受け入れられるため、今回のメニューはヴィーガンを取り入れました。
このようなスタイルを選ぶ背景には、健康面での配慮、宗教的な価値観、環境意識、動物愛護など、多様な理由があります。
中でも、SDGsにも貢献するライフスタイルであるという観点もあります。
畜産業に使われる大量の穀物を栽培するために土地や水を奪われる方々の食料問題を解決する可能性を秘めていたり、畜産業がもたらす環境負荷を軽減したり、さらには畜産業における土地の独占や開発に伴う地域紛争、劣悪な環境労働などの社会課題の改善にもつながるという考え方です。
ヴィーガンメニューの開発はそのような考え方を持つ方々に寄り添うだけでなく、企業として持続可能な社会への貢献としての行動にもつながっていたのです!
では、今なぜこのタイミング?
上司に伺うと
「コンちゃんが開発当時を知っているよ!話を聞いてみると面白いかもね!」
そこで、ビジョナリー企画部クリエイティブチームの通称コンちゃん、ミクウコ・コンラッドさんの元を訪ねました。
コンさんに聞く!「ヴィーガンメニュー開発のストーリー」
「コンさーん!!」
「はーい!」
社内で忙しくお仕事中でしたが事情を話すと、笑顔でインタビューに応じてくれました!
コンさんはポーランド出身。
子供の頃に見た黒澤明監督の『悪い奴ほどよく眠る』(一番のお気に入り!)や『羅生門』を見た際、日本語の穏やかな言葉のリズムに惹かれたのがきっかけで日本に興味を持ちました。
ワルシャワ大学東洋学部日本学科を卒業後、日本に留学。折角勉強したことを忘れないようにと留学中に日本の会社に就職することに。
2019年、シマダグループに入社。当初はホテル事業部のサービスアパートメント運営全般を担当、現在はクリエイティブや撮影関係、PR活動サポートを行っています。
―コンさんとヴィーガンフォー開発の関わりは?
「はい、実は6年前の入社の時から思いはあったんです。当時コムフォー大崎店で、自分だけのオリジナルフォーを作るという新人研修があったんですね。
私はベジタリアンなんです。通常のフォーのスープには鶏が使われているので食べられないんです。そこで、スープを入れずに違う味付けで食べたのですが…それは、フォーの味ではないですよね。
その時から、いつかベジタリアン、ヴィーガン向けのメニューができたらいいなという思いを持っていました。
今年にはいってから、コムフォーでも海外のお客様をお迎えするためにヴィーガン、ベジタリアン向けのメニューを開発することになりました。
6年越しの願いが形になって、開発してくださった事業部の担当者やシェフには感謝の気持ちでいっぱいです。
―どのように開発は進んでいったんですか?
3月から模索し始めて、実際にはコムフォー大崎店のシェフが開発しました。そして、5月中旬の試食会には、私も参加させていただきました。
―初めて食べたときの感想は?
6年間勤めていて、初めて会社のフォーが食べられたので嬉しかったですね。。
第一印象は見た目がいい!あげたお麩がお肉に見える!ザ・野菜じゃなくていい!
ヴィーガンメニューと聞いても見た目にはわからないのが逆にいいと思いました。
それに「麩」と聞いても、外国の方はわかりません。新しい日本の文化を提案できると思いました。
味は和風で美味しかったです。少しインパクトがあったほうがいいかな、と思いラー油をトッピングすることをシェフと相談して、今のスタイルになりました。
―クリエイティブチームとして、ポスターはどのようなコンセプトにしたんですか?
ポスターはまずは担当の方に作って頂きみんなで話しあうのですが、2つのパターンを用意してもらいました。
1つ目は、海外でよく見かけるようなクラフトっぽいポスター、もう一つが明るい健康的な印象の白い背景のもの。
最終的にはコムフォーのHPと同じテイストになるよう、明るいポスターにしました。
外国の人たちだけでなく、日本の女性、特に健康やダイエットなどが気になる方に響くようにという思いを込めています。
―海外だとヴィーガンメニューは一般的なんですか?
もちろん、国や地域によりますが、10年以上前からはヨーロッパの国はどこに行ってもヴィーガン、ベジタリアンのメニューがある印象です。
逆に対応していないほうが珍しいくらい。特に私の住んでいたポーランドの首都ワルシャワは、ヴィーガンのレストランガイドが作成した世界ランキングでも上位にランクするくらい、ヴィーガンにやさしい町です。ものすごくヴィーガン専門店が多いですし、ほとんどのレストランでもヴィーガンオプションがありました。
ポーランドの首都:ワルシャワの街並み
―日本に来てヴィーガンメニューがないことに驚きましたか?
勉強してきたのでヴィーガンメニューがないことは驚きませんでした。でも、大変だなとは思いました。
一人で行くときはどこに行けばいいのか、どのお店で食べるといいのかわかるのですが、人と集まる時、例えば飲み会や食事会の時は、いつも迷惑をかけているな、と思っています。事前に対応できるか確認してもらわないといけないですし、対応できない場合もあります。お店の方に出来ると言われても勘違いをされていて、魚の出汁が使われていることもありました。
気を遣ってしまいますね。自分も、周りも。
―でも、会社の方はもちろんコンさんを理解している、したいという気持ちを持っていますし、周りの方々も文化を知るきっかけになりますよね。
ありがたいことに周りの方はもちろんですが、東京の飲食店も入社当時の6年前に比べて優しくなってきましたよ。笑
当時は
「ヴィーガンです」
といっても何のことかわからなかったんです。
魚は大丈夫ですね、とか。ヴィーガンとベジタリアンの違いがわからない。
今もなくはないけど…でも、明らかにわかってくれる人が増えました。インバウンドがあるからか、どんどんみんな理解してくれるようになってきたという感じがします。
―コンさんはいつからベジタリアンなんですか?
私はベジタリアンなんですが、乳製品とか卵は大丈夫。なので、ラクト・オボ・ベジタリアンですね。ヨーロッパで「ベジタリアンです」というと、このカテゴリーが一般的です。
きっかけは、動物が食用にするためにどのような行程があるのか見てしまったことです。
6歳の頃、普段生きている可愛い豚を見ていましたが、ある日死んでしまった豚を目にしました。そして、その豚を口にすることが当時の私には衝撃的だったため、そこから牛と豚は避けていたんですね。魚は味が好きではなくて、幼少期にチキンだけは食べていたんです。
そして、大学に入ったときに完全にベジタリアン生活が実現できました。
以前から持っていた「人間だけが命の価値を持っているのではなくて、ほかの動物の命も価値がある」という視点から大学時代にエシカルベジタリアンになりました。動物を食用のためにたくさん飼育することは環境のためにもよくない、などといった倫理的な理由もありますね。
そういう人がヨーロッパでは多いです。
日本人も「いただきます」という言葉で「ほかの動物の命は価値がある」というリスペクトを持っています。
共通する感情ですね。
―このヴィーガンメニューをきっかけとした、これからの期待や思いはありますか?
コムフォーについては、いい時間(とき)をつくるために、人の健康をもっと考えられるよう、また、外国の方にも響くようなメニューがあればいいなと思います。そのために実は今、いろいろと準備しているところなんですよ!乞うご期待です!
そして、やはりより多くの人に楽しんでもらいたいと思います。
コムフォーは面白いお店だと感じています。
フォーはもともとベトナムのものですよね。それを日本のお米を使って作っています。そして、もっと外国の人に来てもらいたいという思いがあるので、いろいろな思い、文化が一つになっている混ざりあって作っているお店です。
外国の方でも、ベジタリアンの方でも、いろいろな人が日本の文化を味わいつつも、ちょっとなじみのあるものに出会える安心感があるお店ですね。
広く受け入れることは大事だなと改めて思いますね。
色々な考え方の方が世の中にはいますし、色々な理由で肉を食べない人もいる、宗教だったり倫理だったり、ただ嫌いだったり…。色々な生き方がある中で、みんなに楽しんで生きてほしいと思いますね。そういう対応ができるお店がいいなと思います。
コンさん、ありがとうございました!!
シマダグループが大事にしている言葉の一つに、「リスペクト」という言葉があります。
多くの方々の「いい時間(とき)」をつくるために、いろいろな立場の方々を「リスペクト」すること。
まさにこの言葉を体現したのがヴィーガンフォーなんだな、としみじみ感じました。
いろいろな思いが詰まったヴィーガンフォー。
兎にも角にも美味しいので、ぜひみなさまに食べていただきたいです!
ぜひお近くのCOMPHOでお試しくださいね♪