おつかれ山です
シマダグループにはヨコイト部活動というものがある。
社内の中で業種や役割、年齢などを飛び越えて、
ヨコの繋がりで楽しむための部活動だ。
そのひとつ、ヨコイトやまのぼり部。
合言葉は「おつかれ山です」
高尾山・筑波山など、都内からアクセスがよくて低山である事がテーマひとつ。
下山メシを楽しみにしながら、みんなでゆるーく登るのだ。
やまのぼり部、10年に一度の特別編?!
富士登山企画!
え、富士山を登るチャンス!
でも私、高尾山くらいしか登ったことないけど、富士山登り切れるのかな…?
締切ギリギリまで悩んだ末に参加申請。
日本の頂点を目指す事になってから、緊張している。
準備が9割、だけど本番1割では行けない気がする
「準備が9割」という言葉を耳にする。
富士山を登れるのか不安が大きかった私は、
とりあえず富士登山の本を読み漁り、
毎日会社がある14階まで富士山をイメージしながら階段を上って出社して、
下山をイメージしながら階段で降りて帰宅する。
登山ウェアやグッズを揃え、行動食を準備、トイレ用の小銭も多めに用意して。
仕事もこのくらい準備してこなせたらいいのに…
なんて思いながら富士登山に向けて、心身ともに準備を整えていった。
ただ、富士登山が本番1割で行けるのかは謎である。
標高3,776mへの道のり
日本の頂点を目指す当日。
夜23時にバスで新宿出発。
午前1時に富士山5合目到着。
移動中も、5合目に着いてからも、バスでしっかり仮眠。
そしてまだ日が登らない暗闇の午前3:30過ぎ…
ゾロゾロとバスから降りるメンバー達。
いざ、出発…‼︎
山は真っ暗なのでベッドライトをつけて進むこと1時間。
日の出ー!
朝焼けも綺麗。
岩をよじ登る場面も結構多い。
これが、標高が高くなると酸素薄いからキツイ。
いや、岩じゃなくても砂利道でも階段でもなんでもキツイ。
各所に山小屋があるので行動食などを食べて休憩しながら、
ただひたすらに上を目指す。
頂上の辺りが見えると、
「あそこまで行くのっ?!」って心えぐられそうになり。
8〜9合目からの酸素の薄さきっっつい。
隊長(やまのぼり部部長)が「ゆっくりでも一歩一歩進めば必ず着くから。」と励ましてくれる。しみる~。
最後のほうは苦しくて記憶曖昧。
とにかく、登るのみ。
頂上到達ー!!
感動!本当に感動!!最高に嬉しい!!
登山トータル時間約6時間。
よくやった〜!!
下山は100%を超えた先に
そう、頂上についた時の私は下山の事なんて全然考えていなかった。
これから4時間かけて山を下りなければいけないことを。
100%の力を振り絞って登ってきたわけで。
そこから下山って、100%以上のものを出さないといけないじゃないですか。
最近100%以上の力を出しましたか?
強制的にリミッター外されます、下山。
もう足が痛くて歩けない…!!ってタクシー呼んで帰りたかったけど、
そんな事を考えても富士山という日本一の山の中。
頼れるのは自分の身体と心、そして一緒に富士山に挑んだ仲間だけ。
仲間たちも極限の中、一歩一歩進んでる。
そこに励まされつつ、自分の力で進むしかない!
登頂と同じくらい嬉しかった、入山ゲートに戻ってきた時。
一生の思い出ってこういう事?
山の中を進むのは本当にきつかったけど、
視界に入ってくる景色は全部、とても美しかった。
朝日。雲海。絵の具で塗ったみたいな青空。
火山岩の岩場。森林限界を超えて樹木がない山肌。濃霧で濡れるウェア。
山と空と人しか見えない。
ぜんぶ日常の生活では見ることのできない風景たち。
景色に感動して、苦しい思いをして、その分とっておきの喜びを味わって。
富士登山という”はじめての挑戦”は、心の新陳代謝を上げた気がする。
1人じゃきっとしなかったであろう挑戦を、
社内イベントでチャンスを貰えた事には感謝しかない。
「これから何かつらい事があっても、富士山登ったし!て思える気がする」
と隊長が言っていた。
私も、そう思う。
ほんっとーっにきつかったけど、最高の思い出になった事も間違いなくて、
確実に自分の糧になって「一生の思い出」フォルダに格納された。