グッドデザイン賞を受賞できるのは
当たり前ではないんだ
シマダアセットパートナーズ(以下:SAP)須藤です。いきなりですがグッドデザイン賞を知っていますか?
グッドデザイン賞とは….
デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動です。
※グッドデザイン賞ホームページより引用
SAPでは、グッドデザイン賞を2013年から毎年受賞している。なので社内ではグッドデザイン賞は取れるのが当たり前でしょ?みたいな空気があるけど、そんなことはない。実は毎年4月になると心がざわついてくる。グッドデザインの一次審査の応募が始まるからだ。連続受賞も今年で9年目。10年連続受賞に大手をかける大事な年であった。
SAPではグッドデザイン賞は『デザインを言語化するためのトレーニング』とは言うものの、今では受賞することを宿命とした恒例行事になってしまった…。
普段プレッシャーやストレスに強い私も、この期間は少しだけ胃が痛くなる。
そんな恒例行事の苦悩やこだわりを教えてよ。と広報に頼まれた。
しかし苦悩やこだわりを書き出すと多分きりがない。そんな簡単に受賞できるものでもないんですよ?と、少しだけ気持ちを分かってもらいたく筆を執っている。
そもそも、建築というジャンルでグッドデザイン賞を受賞するためには、
デザインが良い、見た目がかっこいい、素敵、雰囲気が良い(表現がチープで申し訳ない…)ことだけではだめなのである。
「一次審査を通過し、二次審査」評価され、はじめて受賞できるコンテストである。
シマダグループでは例年4、5件の応募をしているが、それを取りまとめるのが私の責務である。
伝わらないとデザインではない
グッドデザイン賞はその年ごとにテーマが決められ、応募する案件が社会問題をどのように解決しているかを言語化する。
あまりたくさんの事柄を提案すると、本当に伝えたいことが薄れてしまうので、言いたいことを大きく3つに絞りそれを軸に物語を展開していく。
いつも頭を悩ますのが言葉のセレクトである。日本語はとても難しい。言葉尻一つで微妙な解釈となってしまうので、文章を書いては修正し、本当に伝えたい文章に熟成させていく。
一次審査を通過すると次はA1サイズのプレゼンシートと、A3用紙10枚の補足資料の作成である。二次審査では300前後の作品が審査されるので、まず審査員の足を止めるようなプレゼンシートでなくてはならない。そこで大切なのは、応募する案件のデザインを最も表現できる写真を選定する事だ。
それから見出しでこれは何を問題として取り上げ、どういうデザインで解決したかをシンプルな一文で表現する。
もちろんプレゼンシートに記入する内容はある程度決められているが、それをどう表現するかが問われる。
また小さな写真を何枚も使用しないのがコツ。わかりにくいからだ。
デザインは『伝える事』。伝わらなければデザインとしてはなり得ない。
写真を使う場合は写真の下部に補足コメントを必ずつけること。
他にもシートの構成、配色や文字の大きさ、フォント…、気にする部分を挙げればきりがない。ただ言えることは、それが本当に伝わっているか?ということ。
何度も言うが、伝わらないとデザインではない。
8月の二次提出を完遂し、9月の発表をドキドキしながら待つのだ。ここまで来たらもう落選はできない…
落ちたらどうしよう…
あ~ホンジャカバンバン、ホンジャカバンバン…
〇〇×〇〇で、わくわくするような新しい価値を創造したい
しかしながら強運な私は今年も当然のごとく受賞を勝ち取った。葉山うみのホテル、白蓮居の2物件だ。これでグッドデザイン賞は9年連続、トータルで23物件の受賞だ。ご褒美は名誉だけで充分である。何かを頂けるのであれば喜んで頂戴するけどね。。
『葉山うみのホテル』は、シマダグループで関わる人が多く、受賞したことはとてもうれしく思う。
グッドデザインを受賞した施設で働く従業員、宿泊者、介護を必要とする入居者など、関係者の意識の変化をもたらすことだろう。
その変化がプラスに働いてくれることを願っている。デザインの力はみんなをハッピーにする。
ホテルはいま東京、神奈川だけで5施設、石垣島で3施設の計8施設ある。そのうち、
ホテル&レジデンス六本木、bar hotel箱根香山、ちゅらククル石垣島、神楽坂レトロなホテル、葉山うみのホテルと5施設受賞できているのは私の自慢だ!
なのに、広報担当は「じゃあ次は箱根つたや旅館ですね!」なんて煽ってくる。恐ろしいよ、ほんとに。。
なにはともあれ、ホテルと介護施設を組み合わせた『葉山うみのホテル』や、昨年ベスト100に選ばれた住居とオフィスを組み合わせた『ROPPONGI TERRACE』のように、これからも〇〇×〇〇のような組み合わせで、わくわくするような新しい価値を創造していきたいと考えている。