ことのはじまり
-登場人物-
右・・・「彼」1969年生まれ 55歳 経理部長。人の話をあまり聞かない。
最近耳が遠くなり色々な意味で更に人の話を聞かなくなった。
左・・・「私」1975年生まれ 49歳 総務部長。飲み会での話の9割が不健康自慢。
若者相手に昔話と説教を連発し老害ムーブをかます。
ある日の会議。
当社の不動産小口化商品「ジャストフィット」はイメージキャラクターとしてサンリオのマイメロディを起用している。
マイメロディに込めた想い | シマダグループ (shimadahouse.co.jp)
今回は10万円以上出資するとサンリオピューロランドのチケットをプレゼントする企画が持ち上がった。どのようにしてこの企画を周知して、知名度を上げるか頭を悩ますメンバーたち。そんな中、広報の女性が「おじさん二人でサンリオに行ったら面白くないですか?」と一言。正直何が面白いのかさっぱり理解できないが、上記二人に白羽の矢が立った。
会社の歯車として戦い続けて20年。
家族も当社の意味不明な他社にない社風には慣れており「サンリオピューロランドにいってくる。」と告げたら「ふーん。いってらっしゃい。」と何事もなく送り出してくれた。
マイメロディとは
「サンリオピューロランドってどこにあるの」
「京王線の多磨霊園だっけ」「京王多摩センターです」
「そもそもマイメロディってなんだ?犬か、猫か」「ウサギです」
我々と広報の女性との不毛な会話が続く。ファンシーな施設が霊園近くの駅にあるわけもなくマイメロディがなんだかわかっていない時点で先行き不安な話だ。ちなみにマイメロディは1975年生まれ。なんと私と同級生。夢は「お菓子屋さんになること」。
夢などとうの昔に諦めた私にしてみては夢を持ち続けるマイメロは眩しいかぎりだ。
午前9:30分現地集合。チケット購入の列にスーツとネクタイ姿で並ぶ我々。周りは女性や家族連ればかり。あまりの場違いさに頭を抱える。そこで
『地方公共団体で出資した第三セクターのテーマパーク経営が悪化しており、人気のサンリオにてそれを打開するヒントを探しに視察にきた県職員』という池井戸潤氏の経済小説に登場するような設定で並ぶ。頭の中でお馴染み半沢直樹のテーマを流し、必死に現実逃避をする。
列にはあきらかに制服を着ている高校生らしき女性が並んでいる。こんな平日の午前中にいるという事は学校をさぼっているのかと勘ぐったが、あれは「大学生が高校時代の制服をきている」と後に教えてもらった。よくわからないが、それはそういうものらしい。
いよいよ入園。まずはレディキティハウスに立ち寄る。そこでは、バラ庭園やドレスタワー、スイーツに囲まれたベッドルームなど、まるで夢の中の世界が広がっている。女の子が憧れる空間に不慣れな「私」と「彼」は、正直言って最初は居心地が悪かった。しかし、次第にその魅力に引き込まれ、心地良さすら感じるようになる。キャラクターたちが親しみやすく、笑顔で迎えてくれる。
そして、待ちに待ったマイメロディとの対面。初めて彼女が前に現れたとき、その愛らしい姿と優しい微笑みが場の空気を一変させる。ピンクのフードや一緒に手に持つ小さなバッグ、まさに夢の中のキャラクターそのもので、一瞬で心を奪われた。
その後、ライブショーも見学。サンリオキャラクターたちが鮮やかなパフォーマンスで観客を魅了する。クライマックスでは歌と踊りが融合し、拍手喝采。まさにプロフェッショナルであり、共感と感動を呼び起こすものだ。前方で小さなお友達が一生懸命にキャラクターや司会のお姉さんたちと踊っている。その一方後方ではショットガンみたいなカメラをもった大きなお友達がお姉さんを所狭し追い掛けている。「なんと場違いな」と思いながら場違いさ加減では我々も負けてはいないので、その場を静かに後にした。
昼食にはクレープ。『紫色のホイップに、甘いブルーベリーソースと甘酸っぱいいちごがマッチしたダブルベリーのクレープ♪クロミとスウィートなひとときを過ごそう♪』との商品説明。クレープなど何十年ぶりに食べたであろう。あまりの甘さに日本酒と塩辛が欲しくなった。我々もクロミちゃんの魅力にメロメロだ。
マイメロディ関連の商品は大人気で、家族へのお土産をショップで選んだ。多様な商品とデザイン性には驚かされる。社内でリクエストされた「マイメロのカチューシャを頭に付けた写真」はガチでやばい人になりそうなので勘弁してもらった。
キャラクターの魅力
今回の体験を通じて、マイメロディがイメージキャラクターとして選ばれた理由が、より一層理解できるようになった。彼女が与える幸福感や癒し、それはどんな年齢層でも共通して感じることができるのだと。
50代おじさん二人がサンリオビューロランドに行った一日は、悲哀と面白さが交錯するものだったが、それ以上に大きな収穫があったと感じている。サンリオは50代のおじさんだろうと、老若男女問わず温かく迎えてくれる。次はまた他のキャラクターとも触れ合い、自社の新しいアイデアに活かしていきたいと思う。帰りには近くある「スーパー銭湯極楽湯」に寄って行きたい。
会社に戻った時、広報の女性社員に感謝の言葉を伝えることとしよう。
「ありがとう、おかげで素晴らしい体験ができた」と。
※2024年10月25日(金)より出資申込開始となる「ジャストフィット銀座」は不動産特定共同事業法に基づく不動産小口化商品(匿名組合型)です。1口1万円から出資ができインターネットでお申込み、ご契約、分配金の配当が完結できます。