選んだ理由はかっこいいから!?
まだ道行く者も少ない六本木の朝、山中さんの仕事の始まりは静寂の空間で迎える。出社と同時に、売上状況や滞在ゲスト情報といった各種数字が視界に入る。その情報は日々の業務形成の礎となる。目を通したメールに対応しながら、深夜スタッフとの情報交換。起きたことや課題などを具体的に話し合い、状況に応じて他のホテルスタッフに情報を共有する。彼の業務は常に動き、刻一刻と変化する街の鼓動に合わせて進められる。
新卒から15年ホテル業界で過ごした。選んだきっかけは6歳からウインタースポーツをしていたことから、小さい頃からホテルが身近な存在だった。最初は「スノーボードをしながらでも働きたい」と軽い気持ちで業界に入ったがリゾートサービスではもの足りず、気づいたらこの業界で長く働いていたそうだ。元々英語学習のために外国語大学に進学したけど、“異国の文化”よりも“ホテル業界という文化”に魅かれる形になった。
気が付けば30代後半を迎え、勤めていたホテルでは全体を管理する立場になり、やり甲斐もある。でも、あまり代り映えのない日々の中で今後のキャリアについて自問自答していた。
そんな中、シマダグループのホテル求人が目に入った。
運営しているホテルがどれもこだわりが強くかっこよく、もう1つは、
早期に幹部クラスの仕事ができるチャンスがあると聞いた。
「“かっこいいから”って少し子供っぽいかな(笑」
最終的に選んだ理由をそう教えてくれた。でもそれってとても大切なことだ。入社半年後、彼はホテル&レジデンス六本木のホテルマネージャー(No.2)となった。
何事も博識であれ
座右の銘は「何事も博識であれ」
以前はキッチンやバーの業務も担い、施設のメンテナンス管理業務にも携わっていたことや、王室や国王の車列対応の経験もある。自身への研鑽として取得した英語や中国語の勉強も常に怠らない。まずは知ろうとする意識を持つことで、新たな視点を獲得しそれがクライアントとの円滑なコミュニケーションやサービス改善に直結している。
ドアマン時代に数百台以上の車のナンバーやVIPゲストを記憶していたこともあり、
大量の情報を記憶することができるようになった。
ゲストの名前を呼ぶのはもちろん、毎日朝に飲む好みのドリンクを把握し
ゲストが目の前に現れると「ダブルエスプレッソに砂糖2つ」とすぐに作りはじめる。
タクシー利用するゲストに対しては、前日と同じ経路かを確認して手配したドライバーに伝えておくこともある。ゲストを理解した状態で接し、よりよい関係へ。
提供するサービスは人間愛に溢れ「心を許せるアットホームさを感じてもらえる空間を創る」ことを心がける。その想いを形にするため、ゲスト一人一人の滞在目的やスケジュール、好みまで全てを記憶し、その情報を活かして踏み込んだサービスを展開している。
“変”を楽しめる
“シマダグループで働くことの向いている人”を尋ねると、
「“変”を楽しめる人」 と返ってきた。
事業形態を変態(メタモルフォーゼ)しながら発展していき、
変化を恐れず楽しみ、変な仲間、、、ではなく個性的な仲間達に囲まれる。
何かと「変」に縁がある会社だ。
会長や役員との距離感が近すぎるというのもその一つ。
部活動のスキー部では代表者と一緒に滑り、食事をして酒を飲んだり
露天風呂で一緒に語ったこともある。
仕事の話を語りたい性格なので、役員の方から四六時中ビジネスの話を聞けるのはすごく良い環境だと感じる。それでいて、しっかりスタッフの名前や社員の家族構成まで覚えているアットホームな姿には正直感動した。
「入社したばかりなのに役員の人達と露天風呂で語るって最高に“変”ですよね。」
と嬉しそうに話してくれた。でもその距離感、その風土こそシマダグループの強みであり、自由な働き方を可能にする鍵だと述べている。ただ、時として若い人達が「自由」をはき違える時もあり、そんな時は自身の経験を基にレールを引いてあげなければとも感じている。
多様なコンセプトが受け入れられる時代
最近のホテル業界は、昔のような
「高級感あふれるラグジュアリーホテルが素晴らしい」
というイメージから変化してカジュアルでスタイリッシュなホテルも増えてきた。
シマダグループには、他にはないコンセプトのホテルがたくさんある。バーに特化したホテル、日本酒が存分に楽しめるホテル、海にとことんこだわったホテル、スタイリッシュな客室に泊まれるホテル。どれも魅力的でゲストを惹きつける。
「シマダグループはずっと同じものだけを提供するのではなく、時代の流れを見極め、新しいものを作り出し、常に変化を続けています。興味がある方は、是非施設に足を運んでみてください。もっと引き込まれると思いますよ!」
最高に“変”でそれでいて常に“変”化を続ける会社との幸せな関係はまだしばらく続いていきそうだ。